俺にも、受け継いだっていう自負は多少なりともある。
それは、先人達の軌跡そのものだから。
だから、おざなりじゃ駄目だと思うんだ。
今のうちの部は、正直かなりいい雰囲気だ。
ぶっちゃけ文句なんて付けたらダメじゃね??
けれどもそれは、今の部の状況だけの話でさ。
やっぱ、先人達を敬うならば、譲れない所ってのはあるわけだ。
部の先人達が辛いながらも守った処。
言葉にしなくても押し通した所。
今だからこそ思う。
流れの中で変わっていくものの中で、ごく微小の変わらない所。
変わらないでいて欲しい処。
――変わるべきじゃないと、感じるトコロ。
押し付ける所じゃないから、少しでも伝えたい。
結果、どう判断されたって、きっとそれは意味がある。
俺の価値はごく些細な一石だとしても、きっと伝えるべきものには価値がある。
うんまあ、なんだかんだと呑みを企画して来てくれる下級生はいるし、ともかく楽しかったし。
きっと、こうやって喋ることには意味がある。
残り数カ月、これもまた、重要な一つのピース……!
ええ、俺だって辛い練習が好きかって言われれば嫌いだよ。嫌いだよ!
けど、俺はバド強くなりたいんだ。強くなりたいんだよ。
残り4か月のバドライフ。 間違いなく俺のバドライフは残り4か月でピークを迎えて、後はダラダラとぶら下がって終わる。。。
わかってる。残り時間が明確になってしまったからこそこんな割り切って頑張れるんだって。
そう、俺だって当時の6年生たちを冷めた目でやっぱ見てしまってたもの。なに6年生がんばってるんでしょう?みたいな。
だから、空回りだって思われたって仕方ない……って割り切っちゃえば、なんて部活の面白いことか。
ノックは自分の限界を超えるために。
試合は不利を覆して勝利とするための糧に。
――ああ、こんなくだらないことに気づくために、俺は6年を費やした。
頑張ることに意味なんてない。
自分の中の壁を超えないと、すべてに意味なんて付けられない。
頑張って……自分は頑張ったって言って自己満足するだけなら試合をする意義なんて無いのでしょう。
自分の中に何かを残すために頑張るんだろうから。
気づいてしまえば、、頑張りたくなっちゃうのが人間ってもので。
今日みたいな辛い練習。うん、実にいい。
練習ってのはこうでなくちゃ。
ここ数年は環境も影響して頑張れなかったけれど、うん――――。
視界がチカチカするくらいの強度の練習ってのが、実に俺には合っている――――!!
ここ2年くらい……そう、Yコンビが卒業してからかな。
どうにも、頑張り方を忘れてしまっている……。
ノックやっても、フットワークやっても、全力でやってるつもりなんだけど。
どうにも、余裕があるんだよな。
こんなんじゃダメだよね。
残りちょっとなんだから、せめて充実したものにしないと何も残るまい。
と、思っているので自分のこと以外にもなんかかんか残したいんで後輩指導頑張ってみる。
まあ残るかどうかは半々か。
俺も大概教えるの下手だからなー。
言っててだんだん何言ってるかわかんなくなってくる笑
ま、それでも4カ月で教えられることは全部教えてから消えたいし、伸びしろが見えてる分は伸ばしてから消えたいもんだ。
結果として鬱陶しい先輩ってレッテルで終わっても、まあ……いいか。
イマサラダヨネ。HAHAHA。
何度も何度も思ってきたことではあるんだけれど。
ああ、うまく、なりたいなあ……!
俺の一週間のスパンとして、『練習して巧くなったような気がする』→『土曜日、ものの見事に打ち砕かれる』
という流れが確立しつつあります。死ねる。
なんなのあの人たち。未来予測機能でも付いてるんですか??ってくらいカットしてくるし。
スマッシュ速くて見えない(リアルに見えない!!)し。
俺が極限ギリギリのコースにありったけの角度と速度で打ちこんでも普通にドライブで返ってくるし!!
詰将棋みたいに、一本一本返しても気が付いたらありえない速さで詰めてきてプッシュされるし!!
ここ2週間ほど、その魔界の住人(魔界の中でもトップクラス……か??)からの指導を頂いております。
とてもタメになるし、アドバイスの一つ一つが金言のように身に沁みこんでくるのを実感できる。
そんな彼から、
『この調子で2年もこのレベルに混じってやれば、まあ戦えるようになるよ』
――――これには参った。
この人に認めてもらえたってことがまず嬉しかった。
そして、2年なんて期間が俺には残されてないって事実が悲しかった。
何より、その事実を告げられないことがまた辛くて。
ちょっと俯いて、涙目。
だから、俺は、残り4カ月を――――。
全力で、バドを頑張りたいって。
不覚にも、今更想ってしまった。